黒留袖のモモンガKIMONO羽織は和遊湘南人気の着物リメイクアイテムです。このページでは来歴とアイテムの特徴について記述します。
来歴
制作のきっかけ
お客様より、黒留袖を使用してモモンガ羽織を作って頂けないでしょうか?とのご提案を頂き、試作を始めたのが制作のきっかけです。
2020年1月より試作をはじめ、2020年2月に最初の制作物である流水とアオサギ柄のモモンガKIMONO羽織を納品させて頂きました。
メディア掲載
同2月にローチ幸Instagram、3月に当サイトにて制作アイテム試作について発表、2020/12/7発刊のクレア贈り物バイブル2020紙面に「モモンガKIMONO羽織」として掲載致しました。
その後のご依頼と制作
初期納品分は当方所有の黒留袖にて制作させて頂いたのですが、次第にご自身のお着物から制作したいというご要望も頂くようになり、都度着やすい丈や縫製方法に改良を加えながら、セミオーダーメイド受付中のデザインとして現在に至っております。
付属するKIMONOclipについて
当方制作のモモンガKIMONO羽織は肩が決まっていない形状のデザインですので、滑りやすく着崩れしやすい点が大きな課題でした。
肩からずり落ちず、しっかりとグリップしつつも表生地を傷めにくいアイテムは無いか?この問題を解決するために、モモンガKIMONO羽織用の着用付属パーツとして考えたのが装飾性のある平型ブローチKIMONOclipです。
KIMONOclipは試作を繰り返して考案したアイテムで、現在も改良試案を続けております。
制作工程
ポイント① 状態の点検、解き洗いと地の目直し
着物の状態確認と点検後、解き洗い、地の目直しの処理をしてから制作を開始致します。
- 状態の点検:せっかく仕立ててもすぐに着られなくなることの無いように、お着物の経年による痛みや、薄くなっている箇所がないか等の確認を行います。
- 解き洗い:【金泥・金駒・精密刺繍】を含む着物は染・呉服の専門業者に依頼致します。黒留袖は全て湘南匠の店に選出された呉服店に依頼して洗張りをしてから制作に入ります。
- 地の目直し:布地にはゆがみが生じますので、アイロンで地の目を通してから制作することで、完成品の型崩れを防ぎます。呉服店に依頼した場合は洗張りされてきたものを使用します。
ポイント② 中綴じ、仕上げの多くを手縫いでお仕立て致します
お客様からのご依頼品、販売物についても同様の考え方で、最初期の制作物以降は袖口や身頃外周部分は手縫いでの仕上げに変更し、できるだけ丁寧な縫製を心がけて制作させて頂いております。
絹は柔らかく滑りやすい特性があるので、少しでもその柔らかな風合いを残せるよう、手縫いで仕上げております。
ミシン縫いよりも多くの時間がかかる工程ですが、和装と相性の良いディティールに仕上がります。
ポイント③裏地には正絹を使用しております
お預かりするお着物の多くはお母さま、おばあ様より譲り受けたケースなど背景に思い出があり、どなたも大切になさっているものです。裏地に関してもできるだけ上質で表生地と釣り合いのとれるものをとの思いから、正絹の新反襦袢地を採用することに致しました。
ストックしている反物から、表生地を引き立て、色柄の合う正絹襦袢地を裏地として採用しております。正絹生地は軽くて通気性が良い為、お歳を召してからもお体に負担なく着やすい生地です。
反物の価格が値上がり傾向にある為今後変更の可能性がありますが、現状はできるだけ良い生地をストックするようにしております。
できるだけ長く快適にお使い頂けたらいいなという願いを込めております。
ポイント④柄合わせと配置のデザインを大切にしております
黒留袖および色留袖、絵羽羽織におきましても、モモンガ羽織の製作は図案によるサイズ調整と柄合わせを大切に考えておりますので、全体の絵の大きさやご希望の裄・着丈やサイズによって裏地との中綴じ位置などを変更しております。
モモンガKIMONO羽織は「羽織とショールの完全2wayで着られるデザイン」を想定しておりますので、お召し頂く際に綺麗に見える位置に図案が配置できるよう心がけております。
おわりのご挨拶
今後も試案、改良、試作していく中で仕様変更があるかもしれませんが、日々よりよいものになるように努力し、精進してまいります。
ご用命がございましたらお気軽にお問合せ下さい。お客様のお着物に出会える日を楽しみにしております。
和遊湘南
初回公開 2021年10月15日
追記・加筆修正 2022年4月3日
最終更新 2024年9月26日
これまでに制作させて頂き、掲載許可を頂いているアイテム他、記載前に販売終了したアイテムにつきまして、デザインアーカイブとして制作ブログに投稿しています。ご依頼を検討されているお客様は、ぜひこちらもご覧下さい。