黒留袖には個性的で魅力的な柄が数多くありますが、着られる機会が限られます。
そこで、近年人気の【モモンガ】という様式の羽織スタイルで通年着られるものにリメイクしたいというご依頼を頂きました。
今回はお客様のお好きな色味、テイスト、普段なさっている着物のコーディネートなどから気に入って頂けるような柄を探し、制作させて頂きました。
着物データ
【年代】昭和初~中期
【裏地】正絹:白
【デザイン】アオサギと金糸の投網、浅瀬の笹や波
【印象】クール
【家紋】揚羽蝶
蝶紋:平氏の代表的家紋とされるが、それは後世、末裔を称するものが家紋にしたからとも言われる。
引用:家紋の本
年代物の着物を扱うときはダメージの度合いに注視し、解き洗いしてから制作に耐えうるかどうかの検討をします。
和遊湘南で制作するモモンガKIMONO羽織は柄をすべて生かし切るところが特徴なので、縫い込まれている部分との退色差なども確認すべき大事な点です。
こちらは中程度のダメージが見受けられましたが、なんといってもこの絵がお客様のイメージに合うことから、ご提案させて頂きました。
全体的に青で構成された爽やかなデザインで、波の1つずつが繊細に描かれている点、絵柄の印象などから昭和初~中期のものではないかと推測されます。
スタイル画像
留袖絵柄詳細
ショールとしての着こなし
長方形にぴったりと畳めるように制作しておりますので、軽く持ち運びにも便利です。折りたたむことでショール代わりにもなり、柄の部分を全面に楽しむこともできます。
裏地について
裏地に麻の葉鹿子に矢絣模様の新反襦袢地を配置して仕立てました。
ご依頼主様の裄、着丈に合わせて制作しています。
今回はこのように、乳(ち)をつけて制作致しましたので、長めの羽織紐も一緒に提案させて頂きました。
淡水パールを眼鏡留めでしっかりと固定しております。
オリジナルの羽織紐もお作りできます