2023年2月21日に中国へ返還されることが決まったジャイアントパンダ「シャンシャン」。筆者は昨年6月がシャンシャンと日本で会う最後の機会になりました。
シャンシャンが中国に返還される理由と、観覧抽選が当たった2022年6月のパンダ母子、シャンシャンの様子をレポートします。
ジャイアントパンダシャンシャンを中国に返還する理由
シャンシャンは日本生まれですし、できることなら日本に残って欲しいという声が多く上がっていますが、中国に返還されるのには理由があります。
もともとジャイアントパンダは、IUCN(国際自然保護連合)が作成しているレッドリストでもVU(危急種)におかれる絶滅危惧種の動物です。その生息数は2,000頭に満たない状況にあり、現在各国の優良な環境で飼育され、数を増やす取り組みが行われています。
絶滅の恐れがあり、ワシントン条約で商業目的の取引が禁止されているジャイアントパンダは、「日中共同飼育繁殖研究」という目的で貸与されているそうです。日本で生まれたシャンシャンも同様に、適齢期になると相性の良い繁殖相手と出会う為に中国へ返還されるんですね。
本来シャンシャンは2年前に返還され、若いうちに中国の気候やエサなどの環境適応に入る予定でしたが、コロナ禍の影響により、返還時期が2023年2月まで延期されました。
5歳という年齢を迎えましたが、まだまだ若いシャンシャンですから、中国であらたな家族を作ってくれたらいいですね。シャンシャンベビーの話が聞ける日を楽しみに待ちたいと思います!
現在のパンダ母子観覧方法
2022年10月より上野恩恵公園のパンダ母子観覧は、1日最大4,400名の事前抽選から先着順へと変更されました。現在は双子パンダ「シャオシャオ」「レイレイ」と母親の「シンシン」が同展示室、父親の「リーリー」が別室です。
日本生まれの人気者「シャンシャン」の最終観覧日は2023年2月19日(日)で、抽選で選ばれた2,600人が別れを惜しみました。
上野動物園のパンダ展示場所
筆者が観覧に行った6月は事前抽選方式の時期だったため、スマホ当選画面を見せ、入場について詳細を聞きました。「シャンシャン」が展示されていたのは上野駅から徒歩ルートで来る入口ゲート付近の”パンダ舎”です。
「シンシン」「シャオシャオ」「レイレイ」と「リーリー」が展示されているのは西園の”パンダのもり”というゾーンで、入口から歩いて20分程度かかる場所です。
上野動物園の園内は傾斜や高低差がある為、洋装、和装共に歩きやすい履物がオススメです。
上野動物園のパンダ観覧は毎回待機列が長くなりますので、厳しい気候の時期は対策が必要です。筆者は両手を自由に使えるように、日傘の代わりに麻とオーガンザで制作したワイヤー入りの麻の帽子をかぶっていきました。
かねてより、母子観覧が当選したら双子パンダの帯留めをつけて行きたいと思っていたので、単衣の蚊絣着物に麻の帯、歩きやすいカレンブロッソの草履というコーディネートにしました。
パンダのもり待機列の様子
この日は6月にしては気温が高く夏の気候でした。母子観覧の待機列には霧のカーテンの噴射や、扇風機も設置されていて、竹の街道が気持ちの良い雰囲気です。
待機列の途中には歴代のパンダの家系図などちょっとした展示もあり、飽きずに並べます。2022年はカンカンとランランがやってきてから50周年の節目。1972年から続く人気者の顔を勉強しながらシャオシャオ、レイレイとの出会いを待ちます。
双子パンダ母子観覧
パンダのもりは、屋根のある通路内のポイントの方がガラスの反射が少なく、写真が撮りやすいです。
この日は運よく母子共に食事中の時間帯で、笹や竹をかじる姿を見ることができました。制限時間は1分と、かなりタイトです。写真撮影はほどほどに、まだ小さくコロコロした愛らしい姿を目に焼き付けました。
画像右から母親のシンシン、緑のラインでおなじみのシャオシャオ、その後ろにレイレイの頭がチラ見えしています。
丸いフォルムが赤ちゃんパンダらしい男の子シャオシャオ、女の子のレイレイは夢中で食事中の為、こちら向きのお顔は撮れず。それでも満足感いっぱいの瞬間でした。元気いっぱいに育ってくれて、その様子に顔がほころびました。
パンダ舎のシャンシャン展示
母子観覧終了後、シャンシャンに会いにパンダ舎へ。パンダのモザイクタイルが印象的な建物の瓦部分に「大熊猫舎」とかかれた装飾を発見しました。
30分ほど並んで、シャンシャンに会う事が出来ました。のんびりと寝そべるシャンシャンに会ったのは1歳以来、実に4年ぶりです。すっかり大きく成長しましたが、丸く整った顔立ちも健在で、いつみても幸せな気分をくれます。
中国に行ってからものんびりと過ごしてくれることを願っています。シャンシャン、ありがとう!
この日は抽選観覧時間に合わせて来園した為、時間の都合上リーリーには会えず。また遊びに行きたいと思います。
上野動物園の景色
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