お母様の遺品整理の中から出てきた反物類の中にモダンな柄のものがあり、ちょっとしたお出かけに使いたいというご希望で着物リメイクのご相談を受けました。使いやすい柄でしたので、単衣のロングコートとパンツ・トップスをご提案させて頂きました。
目次
布地の特徴
どちらもウールが混じっている風合いのしっかりした中厚の生地です。反物は長期保管の為虫食いが数か所あり、布が薄くなっているところもありましたので、そういった傷はなるべくよけて裁断します。使用せざるを得ない箇所は絹糸で細かく目立たないように補修していきます。
デザインについて
紺色は着尺分、縞柄は4.8メートルでしたので、トータルコーディネートで使用して頂けるよう、2つの生地をはいで使うデザインをご提案しました。フロントで切り替え、繋がりを意識して脇から後ろ身頃にかけて同色にしています。
ポイント詳細
トップスはフレンチスリーブ、ワイドパンツはゴム仕立てです。フレンチスリーブは腕をすっきりと見せてくれるので、年齢を問わず人気のあるデザインです。ウエストはインベル、ヒップハングなどで仕立てることも可能ですが、リラックスして着られるようにゴムを希望される方が多いです。今回のセットアップはしっかりとしたウールの生地なので、前あきにしてジャケット風に着ることもできます。
ウール着物からのリメイクはカジュアルに気負わず着られます。
木目のような風合いが面白い生地です。カジュアルな柄のウール着物は一見洋服の生地に見えますが、反物の幅に制限があるので、ある程度の制約があります。今回のようにハギをデザインとして使うことで幅が広がります。
単品で着られるほか、セットで着る事できちんと感もでます。帽子も制作できますので、お手持ちの着物から制作したいものがあればご連絡下さい。
