産着に使用した残りの生地からステージ衣装を制作したいというご依頼です。大きく鶴と波が織られためでた柄で、解き洗い・端縫いされた生地は要尺が6.8mありました。
目次
布地の特徴
襦袢地は表から見ても裏から見ても、どちらにも良い点があり、どちらが表地なのかわかりにくいものがあります。基本的にはメインの柄(この生地の場合は鶴)に光沢がある織り目が表となります。
スタイル
この生地は裁断済みの端切れであった為、古いガイドラインのチャコペンシルの跡が複数見つかりました。
水で消えるチャコなども経年によって浮き出てくることがあります。
裁断上どうしても大きくとれない部分が出てきたため、裏面を表として使用することにしました。
稀なケースではありますが、お預かりした生地の残布状況、裁断面、または汚れの有無などによってこのような形で対応する場合もあります。
デザインポイント
衿開きを深めにしたシンプルなVネックのロングジャケット、フレアスリーブにサイドはスリットを入れて運動量を確保しました。着丈84cmです。
Vラインを深く協調することによって身長の低い方でもすっきりと縦長な印象に見えます。
また、スリットをいれるだけでも運動量が増え、ステージ等でも動きやすくなる効果もあります。
着物の生地は幅が約33~37程度というサイズの中で裁断していくので、生地の分量によって作れるデザインに制約はでてきますが、用途に合わせて要尺から制作可能なデザインのご相談が可能です。